準耐火建築物で木造3階建ては可能か|準防火地域の概要と建築条件を確認

投稿日 : 2019年11月28日/更新日 : 2023年04月10日

準耐火建築物とは建物の建築基準のひとつで、火災の延焼を防止する目的で「準防火地域」の建築物に適用するよう制定されています。

その準耐火建築物は、建物の規模によって適用基準が異なります。そのため、「準防火地域」で木造3階建ての建築は可能なのか、疑問を持つ方が多いのです。

そこで今回は、準耐火建築物の適用基準を解説します。

 

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「準耐火建築物」とは

都市の安全と適正な発展を目的に制定された「都市計画法」の中には、防火に関する規定も含まれています。

その中では、火災が燃え広がりやすく特に厳しい防火対策が必要な地域を「防火地域」、その周辺に広がる防火地域に準じて延焼を受けやすい地域を「準防火地域」と定められています。

そして、防火地域に建築する建物は「耐火建築物」の基準をクリアする必要があり、準防火地域に建築する建物は「準耐火建築物」の基準をクリアする必要があります。

 

◆「準耐火建築物」の基準

  1. 主要構造部(建物の骨格となる、壁・柱・床・梁・屋根・階段など)が通常の火災による延焼を抑制するために必要な構造をしており、耐火建築物の構造に準じた耐火性能を有する。
  2. 耐火建築物と同様に、延焼のおそれのある外壁の開口部(窓・玄関ドア・換気扇など)に防火戸などの防火設備を設置する。
  3. 加熱開始後1時間以内の非損傷性・遮熱性・遮炎性が確保されている。

 

また、準耐火建造物は、耐火建築物で認められない木造建築も可能です。

 

耐火建築物・準耐火建築物の適用義務要件

準防火地域における「耐火建築物」「準耐火建築物」の適用義務要件は、建築物の規模によって異なります。

 

◆「耐火建築物」「準耐火建築物」の適用義務要件

延べ面積 1階建て・2階建て 3階建て 4階建て
1,500㎡超~ 耐火建築物 耐火建築物 耐火建築物
500㎡超~1,500㎡以下 準耐火建築物 準耐火建築物または技術的基準適合建築物 耐火建築物
~500㎡以下 適用義務なし※1 準耐火建築物または技術的基準適合建築物 耐火建築物

※耐火建築物を準耐火建築物に変えて適用することも可能です。

※技術的基準適合建築物とは、後述の基準を満たす建築物です。

※1適用義務がない場合には、構造部に無垢材を使用することができます。

 

◆「技術的基準適合建築物」の基準

  1. 外壁と軒裏を防火構造とする
  2. 屋根を不燃材料でふく
  3. 外壁の開口部に防火戸を設置する
  4. 木造の柱・梁は一定以上の太さとする、または石膏ボードなどで覆う

準耐火建築物で木造3階建ては建築可能?

木造3階建ては原則耐火建築物でないといけません。

しかし、防火地域以外であれば避難経路の確保などの一定の措置を講じることで「木3共(木造3階建て共同住宅)」仕様で1時間準耐火建築物で建設が可能です。

 

不動産に関わる法制を幅広くチェック

建物を建築する場合には、建築基準法や都市計画法などさまざまな法律に準拠する必要があります。それは、地域や建物の規模・用途などに応じて細かく定められています。

宅建業者としてお客様の不動産取引を適切にサポートするためには、法制度の幅広い知識が必要となるのです。

また、法律は改正する場合があり、日頃から最新の情報を仕入れる習慣を持つことが大切です。

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まとめ

「耐火建築物」「準耐火建築物」の適用義務要件は延べ面積、回数によって大きく変わってきます。しっかりと区別の仕方を身につけて、お客様への適切なご案内につなげていきましょう。

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この記事の監修者
小林 紀雄
住宅ローンの窓口株式会社代表取締役・iYell株式会社取締役兼執行役員
2008年にハウスメーカーに入社し営業に従事。2010年からSBIモーゲージ株式会社(現アルヒ株式会社)に入社し、累計1,500件以上の融資実績を残し、複数の支店の支店長としてマネジメントを歴任。2016年にiYell株式会社を共同創業し、採用や住宅ローン事業開発を主導。2020年に取締役に就任し、住宅ローンテック事業の事業責任者としてクラウド型住宅ローン業務支援システム「いえーる ダンドリ」を推進し事業成長に寄与。